【カル渚】君は愛玩人形
タイトルこんなですが今回はエロないです。
今回は、ですので頭の中にある別の話にはエロがあります。そしてシリーズです。
特にゴールの無い話なのですが、折角書いたのでペトリ。
年齢操作在りで、成人済みの大学生という設定です。多分一緒に住んでます。多分。
公式で扱われているので、注意いるのか微妙なラインですが女装を含みます。
問題なければ続きよりどうぞ。
今回は、ですので頭の中にある別の話にはエロがあります。そしてシリーズです。
特にゴールの無い話なのですが、折角書いたのでペトリ。
年齢操作在りで、成人済みの大学生という設定です。多分一緒に住んでます。多分。
公式で扱われているので、注意いるのか微妙なラインですが女装を含みます。
問題なければ続きよりどうぞ。
俺の大好きな渚は、時々俺の大嫌いな渚君になる。
俺は幸いなことに両親には恵まれていた。というより、親に感性が良く似ていたため、人によっては不幸である親の行動が不幸ではなく感じられる体質として生まれることが出来た。放任主義過ぎる部分も、俺にとっては自由を与えてくれるものであったし、俺が中学校に上がる前まではもう少し両親が家にいることも多かった。
確かに他の家族よりは家族で出かけたという思い出は少ないのかもしれない。けれど、率先して家族と出かけたいと思うタイプではないし、愛されていなかったとも思っていない。何不自由ない生活を与えられて、やりたいことをやりたいようにやらせてくれる。それは少なくとも俺にとっては幸福だった。
ガバッと隣で眠っている渚が目を醒ました時、俺もつられて目が覚めた。元々眠りが深い方ではないため、ちょっとした衝撃でも目が覚めてしまう性質なのだ。上半身を起こしてベッドに座るような体制の渚ははくはくと荒い呼吸を繰り返していて、“トイレかな?”なんて呑気な考えはすっかり払拭されてしまった。
渚が夜中に悪夢に魘され飛び起きることはまれにあった。飛び起きた後、カルマ、と俺の名前を呼んで腕の中に潜ることを求めてくれる時は良い。そうやって不安だったり怖かったりする思いを発散させるために俺を使ってくれる日は良い。けれど、渚はそのままそろりとあたたかな布団から抜け出し、冷たい床の上に足を付けた。
今日は、俺の嫌いな日だった。稀に悪夢に魘される渚の中でも、更に稀に起こる憎い日。ペタペタと冷たい床の上を歩く渚君はベッドの足元の方で止まって、ギィと鈍い音を立ててクローゼットの扉を開いた。ガサガサと何かを漁る音が止まると、それに続いてするすると布の擦れる音がした。
この部屋の、クローゼットの奥には俺が悪ふざけの為に買ったワンピースが入っている。本当は、恥ずかしがって嫌がる顔を見たくて買ったものではあったが、渚は頭の良いド変態を軽蔑するような冷たく鋭い眼差しを俺に向けて、ちょっとした喧嘩に発展したことがあった。
俺は幸いなことに両親には恵まれていた。というより、親に感性が良く似ていたため、人によっては不幸である親の行動が不幸ではなく感じられる体質として生まれることが出来た。放任主義過ぎる部分も、俺にとっては自由を与えてくれるものであったし、俺が中学校に上がる前まではもう少し両親が家にいることも多かった。
確かに他の家族よりは家族で出かけたという思い出は少ないのかもしれない。けれど、率先して家族と出かけたいと思うタイプではないし、愛されていなかったとも思っていない。何不自由ない生活を与えられて、やりたいことをやりたいようにやらせてくれる。それは少なくとも俺にとっては幸福だった。
ガバッと隣で眠っている渚が目を醒ました時、俺もつられて目が覚めた。元々眠りが深い方ではないため、ちょっとした衝撃でも目が覚めてしまう性質なのだ。上半身を起こしてベッドに座るような体制の渚ははくはくと荒い呼吸を繰り返していて、“トイレかな?”なんて呑気な考えはすっかり払拭されてしまった。
渚が夜中に悪夢に魘され飛び起きることはまれにあった。飛び起きた後、カルマ、と俺の名前を呼んで腕の中に潜ることを求めてくれる時は良い。そうやって不安だったり怖かったりする思いを発散させるために俺を使ってくれる日は良い。けれど、渚はそのままそろりとあたたかな布団から抜け出し、冷たい床の上に足を付けた。
今日は、俺の嫌いな日だった。稀に悪夢に魘される渚の中でも、更に稀に起こる憎い日。ペタペタと冷たい床の上を歩く渚君はベッドの足元の方で止まって、ギィと鈍い音を立ててクローゼットの扉を開いた。ガサガサと何かを漁る音が止まると、それに続いてするすると布の擦れる音がした。
この部屋の、クローゼットの奥には俺が悪ふざけの為に買ったワンピースが入っている。本当は、恥ずかしがって嫌がる顔を見たくて買ったものではあったが、渚は頭の良いド変態を軽蔑するような冷たく鋭い眼差しを俺に向けて、ちょっとした喧嘩に発展したことがあった。
捨ててと言われて捨てなかったのはいつか、恥ずかしがる表情を見てやるという思いからだったのだが、今となればその言葉に応じて良ければ良かったと思う。軽蔑の眼差しを向けてくれる方がよっぽど良かったと思っている。
再び、ペタペタとフローリングに素足がつく音がして、渚君がするするとややぬるくなった場所へと潜り込んできた。白いワンピース。頬を紅に染めて、涙で青い瞳を潤ませ、羞恥に心が支配された渚が纏っていたら似合うだろうなと思って選んだそれ。レースのリボンと、たっぷりの布でこさえられた、永遠の少女の為の洋服。
「……いいこで、いるから」
ああ嫌だ。聞きたくない。そんな壊れたオルゴールみたいな声は聞きたくない。壊れたような渚の声は好きだけれど、そういう意味で壊れた声じゃあ意味なんてない。耳を塞いでしまいたかったけれど、起きているのがばれたら厄介だ。普段の渚なら俺の狸寝入りなんてアッという間に見抜いてしまうけれど、今の渚君には解らない。割れたビー玉のような渚君の瞳には、俺は、映らない。
「おねがい。みすてない、で」
俺の言動ではなく、心に、身体に埋め込まれた呪いに揺れる君なんて、ちっとも愛おしく感じられないよ。
俺は両親に恵まれていた。俺という性質に恵まれていた。だから、俺は両親に恵まれないという気持ちが分からない。親の言動が呪いのように、心に、身体に深く刻まれるということが分からない。理解できないし、しようとして出来るものではないと承知している。
成人する前に母親とは和解しているのを俺は知っている。とはいえ、永く、深く刻まれた呪いはなかなか消えないのだろう。例えその小さく細い体に絡みついていた荊がなくなったとしても、棘が刺さっていた場所の傷は、深く抉られた傷は、なかなか癒えないのだろう。そして、悪夢として痛みがぶり返す。ぶり返した痛みは再び俺の愛しい人の心を抉る。傷を、上書きするかのように。
俺は、そうやって母親の着せ替え人形だった頃に戻った渚君が嫌い。過去の痛みに支配され、俺の言葉が届くなった渚君が嫌い。可憐で儚い、渚に良く似た人形なんて俺は要らない。
再び、ペタペタとフローリングに素足がつく音がして、渚君がするするとややぬるくなった場所へと潜り込んできた。白いワンピース。頬を紅に染めて、涙で青い瞳を潤ませ、羞恥に心が支配された渚が纏っていたら似合うだろうなと思って選んだそれ。レースのリボンと、たっぷりの布でこさえられた、永遠の少女の為の洋服。
「……いいこで、いるから」
ああ嫌だ。聞きたくない。そんな壊れたオルゴールみたいな声は聞きたくない。壊れたような渚の声は好きだけれど、そういう意味で壊れた声じゃあ意味なんてない。耳を塞いでしまいたかったけれど、起きているのがばれたら厄介だ。普段の渚なら俺の狸寝入りなんてアッという間に見抜いてしまうけれど、今の渚君には解らない。割れたビー玉のような渚君の瞳には、俺は、映らない。
「おねがい。みすてない、で」
俺の言動ではなく、心に、身体に埋め込まれた呪いに揺れる君なんて、ちっとも愛おしく感じられないよ。
俺は両親に恵まれていた。俺という性質に恵まれていた。だから、俺は両親に恵まれないという気持ちが分からない。親の言動が呪いのように、心に、身体に深く刻まれるということが分からない。理解できないし、しようとして出来るものではないと承知している。
成人する前に母親とは和解しているのを俺は知っている。とはいえ、永く、深く刻まれた呪いはなかなか消えないのだろう。例えその小さく細い体に絡みついていた荊がなくなったとしても、棘が刺さっていた場所の傷は、深く抉られた傷は、なかなか癒えないのだろう。そして、悪夢として痛みがぶり返す。ぶり返した痛みは再び俺の愛しい人の心を抉る。傷を、上書きするかのように。
俺は、そうやって母親の着せ替え人形だった頃に戻った渚君が嫌い。過去の痛みに支配され、俺の言葉が届くなった渚君が嫌い。可憐で儚い、渚に良く似た人形なんて俺は要らない。
【2015.09.23 純白レェスのロリィタドレス】
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※キリ番とかは特にないです、すいません…